海外への見積書
見積書の内容は会社によって異なりますので、
誤解や混乱を避けるため、今回はテンプレを紹介するのは避けようと思います。
ただ、海外へ見積書を作成する場合、
品名、数量、価格といった情報の他、
気をつけなければいけない項目があります。
どのような会社さんでも、共通して
考慮されていると考えられる内容についてお話しします。
日本国内の取引とはちょっと様子が変わってきますので、
注意しましょう。
海外への見積 – 抑えておきたい5つのポイント
今回お話しするのは下記の5点です
①支払条件: 例) Prepayment, Net 30 days
②インコタームズ: 例) FOB, Tokyo / DAP, Stanford
③税金に関する注記
④見積有効期限
⑤その他
では、順番に見ていきましょう。
①支払い条件
日本国内の取引であれば、初回は前払いでも
次回以降、後払いという対応もあるかもしれません。
ただ、海外の私企業の場合、その会社が飛んでしまった場合、
ほぼ100%回収が不可能になります。
例えば、アメリカの某社に20蔓延の製品を販売。
しかし、メールしても電話しても連絡がつかず、
支払をしてくれない…その会社のホームページもなくなってしまった…
こういうケースを想定して、海外の私企業との支払いは前払いを依頼するケースが多いと思います。
例外として、誰もが知る大企業や大学などの官公庁は、仮に担当者から連絡が来なくても、
請求先はありますので、条件によっては前払い以外も考慮されている場合もあると思います。
②インコタームズ
FOBやDAPなどアルファベット3文字で表される
売主・買主が行うべき義務をまとめた取引条件のことです。
参照: インコタームズ2020 (Jetro)
https://www.jetro.go.jp/world/qa/J-200309.html
貿易取引条件の誤解を防ぐため、国際商業会議所
(International Chamber of Commerce: ICC)が制定した国際規則です。
会社の見積書を見て、どういった項目が記載されているか
キチンと把握しておきましょう。
③税金に関する注記
関税(custom duty)だけではなく、
相手国でかかる税金の取り扱いに関しても明確に
しておくと後々、トラブルに繋がることを回避できます。
例) 日本の消費税、EU諸国でのVAT(付加価値税)
④見積有効期限
これは海外に限った内容ではないので、
イメージが付きやすいと思います。
海外との取引でも同様に明示しましょう。
⑤その他
最低発注数量・価格
銀行手数料
クレジットカード手数料
などなど、会社によって上記にない項目でも
考慮する場合があるはずです。
見積書は内容を理解した上でお客様へ提出しよう
実際、見積作成はほとんどの場合、
それぞれの会社、固有のシステム内で作成する
ことが多く、0から書き上げることはほとんどないと思います。
だからこそ、
見積に記載されている金額だけではなく、そこに記載されている
取引条件を理解しないまま提出をしてしまうとトラブルに繋がります。
上記のポイントの他、あなたが働いている職場で
使用している見積書で分からない箇所があったら
そのままにせず、社内で必ず確認を取るようにして下さい。
逆に、見積を取った時に相手のルールが書かれていますので、
その内容が普段の自社の流れと大きく異ならないか注意して
確認しましょう。
そのためにも、上記のポイントは最低限、抑えておきましょう。