以下、サロン記事
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おはようございます。
昨日、「今日の記事は非公開動画を含んでいるので、二日後に削除します!」と強く宣言した直後に、サロンメンバーさんから「動画だけ消せばいいんじゃないですか?」とコメントがあり、「動画だけ消します!」と更に強く宣言したキングコング西野です。
超朝令暮改
さて。
コロナちゃんも相まって、今がエンタメ業界の大きな大きな転換期であることは間違いなく、
ここでの打ち手(習慣のリセット)が、その後の寿命を決定することは間違いありません。
そんなこんなで今回は、ここ1~2年の大きなトレンドになるであろう『メイキングの役割』について深掘りしていきたいと思います。
長くなりそうなので、今日と明日で「前編/後編」に分けてお届けします。
(※どちらかというと前編は「状況整理」です)
芸能界の話がベースになりますが、たぶん、皆さんの活動に置き換えられるコトだと思うので、お付き合いください(^-^)
▼ コロナはどの仕事を殺したの?
(※今回の記事が長くなる理由は、ここから、あらためて丁寧に御説明した方がいいと思ったからです。「分かってるよ」という方は適当に聞き流してください)
コロナがやってくる前のテレビを思い出してください。
あの頃は、まだ、テレビ(バラエティー)にはたくさんのタレントが出演していました。
「まだ」という言葉を選んだのは、コロナが来る少し前から、一つの画面に映るタレントの数がジワジワと減っていたからです。
少人数で語る番組がジワジワと増えていたよね
当時は『ひな段』が全盛で、「団体芸」が重宝されていましたが、コロナ(3密回避)によって、その文化は一晩で終わらされてしまいました。
このビッグバンによってビクともしなかったのは、コロナ前から早々に「個人芸」にシフトチェンジしていたタレントさん達です。
(※カジサック、オリラジ中田君、ヒロシさん、DaiGoさん…などなど)
彼らは個々の活動で、それぞれにファンを抱えていたので、コロナが来たら来たで、ファンに説明し、自分の意思で自分のアプローチを軌道修正し、難を逃れました。
それどころか勢いを増しました
他方、ワリを食ったのは「団体芸」では重宝された『バランサー』です。
『バランサー』というのは、チーム全体の流れを見て、
チームの為にボケて、
チームの為にツッコんで、
チームの為にリアクションをして、
チームの為に、時には「美味しくない役」だって買って出る人達のことです。
『バランサー』は当然、番組スタッフからは重宝されますし、重宝されるので出番も増え、世間の認知度は高いのですが、しかし、その一方で「バランスを取る人」は個性にブレーキをかけないといけないので、どうしても『ファン』が付きにくいです。
僕もはね跳び時代に経験しています
▼劇場(寄席)にも目を向けてみましょう。
実は今、寄席(よせ)でも同じようなことが起きています。
(※寄席=数組の芸人が出演する劇場公演のこと)
現在、客席の稼働率を下げて(客席を減らして)寄席がおこなわれています。
劇場によっては、その寄席の模様がオンラインで販売されていたりします。
ただ、
スマホで観る側からすると、わざわざ課金してまで観たいのは「好きな芸人」さんだけです。
「観もしない芸人さん分の料金なんて支払いたくない」というのが本音です。
これらの流れを整理すると…
『テレビ』や『劇場』では、フワッと「タレントのセット売り」が許されたけど、
『スマホ』になると、「タレントのバラ売り」しか許されなくなった。
……ということだと思います。
劇場の売り上げを伸ばすことだけを考えると、毎日「寄席」をオンラインで販売するのではなく、毎日「単独ライブ」をオンラインで販売
した方が売り上げが伸びるでしょう。
ただ、それをすると『ファンがいない芸人』の出番が無くなってしまう。
なので、『ファンがいない芸人』を食わす為に半ば強引に「セット売り」をしなきゃいけないのですが、
『ファンいる芸人』からすると、「セット売り」されるメリットが一個も無いんです。
自分のことを応援してくれているファンの方のお金が、他の芸人に流れるからです。
「それなら、わざわざセット売りされる市場に出ていかなくて、自分のチャンネルで完結させた方がいい」と考えるのが自然でしょう。
寄席を守ることよりも、自分や自分の家族を守ることを優先することを、誰にも責めることはできません。
みんな一生懸命生きている
さて。
メチャクチャ厳しいことを言いますが(でも、現実なので受け止めた方がいい)、
コロナが来たからといって、慌ててYouTubeを始め、
慌ててクラウドファンディングやオンラインサロンを始めても、
あまり良い結果は出ないのは、「セット売り」に甘んじて、「人気」の獲得を後回しにしてきた人達です。
この人達は、もう諦めるしかないのでしょうか?
ここからは、御自身の胸に手をあてながら読んでいただきたいです。
▼ どうすればいいの?
「じゃあ、もう諦めるしか無いのか?」というと、そんなことは無くて、次の二つのことを守れば、まだ光はあります。
①徹底的にドブ板営業をする。
②「梯子を外された」と考えない。
①に関しては普段から何度も言っていることです。
ファンを獲得する為の最も効果的なアプローチはドブ板(1対1)営業です。
ファンを一定数以上抱えていない人の発信(SNS)は、釣針を付けていない釣糸を垂らしているのと同じです。
当然、何度、釣糸を垂らそうとも、ビックリするぐらい何も釣れません。
人をモノみたいに扱うのが超絶イヤですが、便宜上(感覚として理解する上で)、「ファン=釣針」という認識をもっておいた方がいいでしょう。
問題は、②です。
きっと多くのタレントが「コロナという不測の事態によって、ある日突然、仕事場を奪われた」と考えているでしょう。が、SNSやYouTubeが始まった日から「セット売り」の終焉は決まっていました。
スマホの画面は小さいので、スマホでは「団体芸」「ひな段」は物理的に楽しみにくいです。
面白い面白くないの話じゃないです
そんな声は、とっくの昔から上がっていたのですが、何年も何年も、そこに耳を傾けなかった。
たしかに「コロナ」は突然やってきましたが、「セット売り→バラ売り」の流れは、ずっと前からジワジワと来ていたんです。
ここを混同しちゃダメだす。
気象衛星
今、僕らが向き合うべき問題は、
「この仕事はコロナによって失ったのか? それとも、時代の変化から目を背けたから失ったのか?」
ということだと思います。
実際に、「コロナ」が原因で失った仕事はたくさんあると思います。
しかし、少なくとも今、多くのタレントが仕事を失っている原因は「コロナ」などではなく、「時代の変化から目を背け続けたから」に他なりません。
こういった原因の所在を明らかにしておかないと、次の変化でも、また仕事を失ってしまいます。
「なんでもかんでもコロナのせいにしちゃダメだよ。また殺られちゃうよ」
という話です。
一度、
失った仕事をリストアップして、「コロナによって失った仕事」と、「時代の変化に目を背け続けた結果、コロナがやってきてトドメを刺され、対応が遅れて失った仕事」を分けてみると、改善点が浮き彫りになっていいと思います。
今日の話は「前置き」(あくまで、あらためて状況整理)で、明日の後編が「本題」です。
今、『メイキング』というものが、とってもとっても大きな意味を持っているので、その話を。
時代の変化から目を背けず、ガン見していただけると嬉しいです。
現場からは以上でーす。